仙台市議会 公営企業常任委員会他都市視察(苫小牧、江別、八戸)
常任委員会としての他都市視察を行いました。1日目は石油資源開発(株)勇払油・ガス田施設見学。国内での原油および天然ガスの生産は微量ですが、その中でもガスの算出では最大規模の施設です。最大の特徴は[地下約4千m前後の礫岩と花崗岩の割れ目の中に圧縮されて存在している]大変珍しい貯留岩層の油・ガス田であることです。ガスの多くはパイプラインで札幌まで敷設され、北海道ガスに供給されているほかLNG化して道内各地に送られています。一緒に産出する原油は、中東などの“黒い”ものと異なり“茶褐色”でパラフィンを含むサラサラしたものでした。タール分を含まない良質なもののように感じました。推定埋蔵量は正確ではないものの現在の9本の油井生産体制で15から20年であり、さらにポイントを変えて新たな油井を掘削中でした。
2日目は札幌市のベットタウンとなっている江別市の水道部上江別浄水場で①経営改革への取り組み②高度浄水処理施設などについてご教授いただきました。石狩川の支流で支笏湖から流れ出ている「千歳川」からの取水。地域事情により農作業のよる濁度や農薬などの混入、上流域での下水処理水の放流、さらに牧場やゴルフ場からの影響などによって水質が悪化、結果として通年での“粉末活性炭処理”を行ってきたとのこと。以前は苦情もあったが、現在は皆無に近いとのことでした。
最終日は列車の乗り継ぎで八戸市へ。八戸圏域水道企業団に伺い、①企業団の事業概要と特徴的な取り組み②高度浄水処理施設の運転状況などについてご教授いただきました。昭和61年に11市町村で構成する「八戸圏域水道企業団」が発足。現在は仙台市とほぼ同じ給水面積(800平方km)約34万人に供給しています。現在は3箇所の浄水場から供給していますが、3箇所とも江別市同様に河川の表層水を利用していることから同様の問題が発生、当初は“粉末活性炭処理”を水質悪化の状態に合わせて一定時期だけの処理であったものの、冬場の使用量がそう多くないことから“粉末活性炭処理”を通年処理に変更してきたとのことでした。見せていただいた白山浄水場は処理能力10万トンで仙台市の国見浄水場と同規模の施設でした。2年後には新たに建設された世増ダムからの取水が行われるとのことでした。